―――ズキンッ






「…ぇ?」


あ、れ…?

今の、なに…?

一瞬、胸が痛くなった…。

どうして…?

思わず、未だにふるえる両手で胸を押さえた。

なんで…こんなにモヤモヤするの…?

どうして、こんなに渉が好きな相手が誰なのか気になるの…?

どうして…?

………わかんないよ…。


「…そう、ですか…。あの、お幸せに…なってくださいね…」

「…うーん…。そうだな…相手しだいだけど…。まぁ、頑張るよ。…ありがとう」

「…いえ…////」


そのあと少しして別れた2人を、そっと靴箱の陰から覗き見てみた。

渉に告白していた女の子は…。

学年でも、人気のある女子トップ10に入っているかわいいと評判の女の子。

あんな子に告白されてもなびかないくらいに好き…って…。

そんなに渉に愛されてる子…って、どんな子なんだろう。

きっと、私なんかじゃ、全然太刀打ちできない。

だって私は…



……………え?



一瞬、思考も、呼吸も、何もかもが止まる。


「………っ!」


無意識に息を呑んだ。

自分の…本当の気持ちが、信じられなくて。