Tさんのから聞いた話である。
ある海沿いの国道に『7曲がり』と呼ばれる心霊スポットがある。
バブル全盛期に商売に手を出した若い男性がバブル崩壊とともに破産し、7曲がりに建てていた軽食店内で首を吊ったことから始まった。
地元の者は皆それを知っている。
その建物は長い間つぶされることなく放置されていた。
やがてそこは『心霊スポット』として密かに知られ始めた。
Tさんは職場でその噂を耳にし、
なんや。
あそこのことやん。
と、すぐに地元のことだとわかった。
そこで、職場の皆にその建物の中身を見せてやろうと思ったらしい。
幽霊とかは嫌いだが人を盛り上げることは大好きなTさんは肝試しのつもりで
単身でそこに行ったのである。
Tさんの家から車で五分くらいの場所にその7曲がりはあった。
車を止め降りる。
玄関は鍵がかかっているが裏の窓が壊され中に入れる事も知っていた。
そこから入る。
厨房なのか機材室なのかわからないような部屋を過ぎ、多分軽食店室内だろうという所に入った。
そのとき、寒気がした。
荒波のような悪寒が手から足から絶え間なく流れる。
半袖から見える自分の腕が爬虫類に見えるほど寒気に立っている。
物音はない。
不思議なものは何も見えない。
なにがこんなに怖いのかわからない。
俺、びびっとんか。
Tさんは携帯を取り出しさっさと写真を撮って帰ろうとした。
その時
「何しとんや!!」
という声に、心臓が止まるくらい驚かされた。
近所のおじさんがTさんの車を見つけ注意しにきたのだ。
写真を撮れなかったのは残念だったが人が来てくれたことに安堵してTさんはすんなり建物を出た。
まあ、笑い話ができたな。
と思った。
だが。
これは不法侵入やぞ、あほが、と、ぶつぶつ怒っているおじさんがTさんを振り返ってこう怒鳴った。
「もう一人はどこ行ったんや!!」
Tさんは驚いた。
肝試しのつもりできたのだ。
Tさん以外誰もいない。
「もう一人て?」
と聞くと、誤魔化すなと言わんばかりにこう言われた。
「お前の後ろにもう一人おったやろ!!」
その言葉を聞いてTさんは、
…もう二度と肝試しはしない。
そう、誓ったそうだ。
ある海沿いの国道に『7曲がり』と呼ばれる心霊スポットがある。
バブル全盛期に商売に手を出した若い男性がバブル崩壊とともに破産し、7曲がりに建てていた軽食店内で首を吊ったことから始まった。
地元の者は皆それを知っている。
その建物は長い間つぶされることなく放置されていた。
やがてそこは『心霊スポット』として密かに知られ始めた。
Tさんは職場でその噂を耳にし、
なんや。
あそこのことやん。
と、すぐに地元のことだとわかった。
そこで、職場の皆にその建物の中身を見せてやろうと思ったらしい。
幽霊とかは嫌いだが人を盛り上げることは大好きなTさんは肝試しのつもりで
単身でそこに行ったのである。
Tさんの家から車で五分くらいの場所にその7曲がりはあった。
車を止め降りる。
玄関は鍵がかかっているが裏の窓が壊され中に入れる事も知っていた。
そこから入る。
厨房なのか機材室なのかわからないような部屋を過ぎ、多分軽食店室内だろうという所に入った。
そのとき、寒気がした。
荒波のような悪寒が手から足から絶え間なく流れる。
半袖から見える自分の腕が爬虫類に見えるほど寒気に立っている。
物音はない。
不思議なものは何も見えない。
なにがこんなに怖いのかわからない。
俺、びびっとんか。
Tさんは携帯を取り出しさっさと写真を撮って帰ろうとした。
その時
「何しとんや!!」
という声に、心臓が止まるくらい驚かされた。
近所のおじさんがTさんの車を見つけ注意しにきたのだ。
写真を撮れなかったのは残念だったが人が来てくれたことに安堵してTさんはすんなり建物を出た。
まあ、笑い話ができたな。
と思った。
だが。
これは不法侵入やぞ、あほが、と、ぶつぶつ怒っているおじさんがTさんを振り返ってこう怒鳴った。
「もう一人はどこ行ったんや!!」
Tさんは驚いた。
肝試しのつもりできたのだ。
Tさん以外誰もいない。
「もう一人て?」
と聞くと、誤魔化すなと言わんばかりにこう言われた。
「お前の後ろにもう一人おったやろ!!」
その言葉を聞いてTさんは、
…もう二度と肝試しはしない。
そう、誓ったそうだ。