けど、まぁ…今回は、コイツのために連れてきたようなもんだし…。


「これでいい?」

俺は、恋愛系の作品を指差す。

すると、高野は目を丸くして「う、うん」と頷いた。

「よし」

俺は高野の手を取り、チケットを買いに行く。

「よ、よかったの…? その…」

「あーいや、俺恋愛系見るの初めてだし。ぶっちゃけ、寝ると思うしな」

「ね、ねぇ…今からでも変えられるんじゃ」

「いいよ。今回は高野の好きなので」

「でも…」

「いいんだよ」


俺が優しくそう言うと、高野は、嬉しそうに笑った。