顔を真っ赤にしている高野に、俺はそっと手を差し出した。

「いいよ、デートしようぜ」

「ぇ…」

「デート、するためにその服着てきてくれたんだろ?」

また、みるみる赤くなって行く高野を見て、「ふはっ」と吹き出した。

「ほら」

「…ぅ、うん」

高野は、顔を真っ赤にしたまま、戸惑いがちに俺の手のひらの上に、自分の手を置く。

俺は、そっと…高野の手を、優しく握った。


「んじゃ、行きますか」


高野の手を引っ張りながら、ゆっくりと歩く。


「歩くの早い?」

「う、ううんっ」

「そっか」


周りをキョロキョロ見渡しながら歩く高野を見て、小さく、高野に聞こえないように笑う。