二人ともびっくりしてる♪
そりゃそうか!
私と隼と自分の他に誰かがいたらそりゃあ驚くよね…!
そう一人で納得していると、
固まっていた雛がやっと動き出し、ぐいっと私の腕を掴んで距離をとる。
「稀已!説明して!なんで男が二人!?」
慌ててる慌ててる…
雛ってばかわいーっ!
雛に落ち着かせるように、「まぁまぁ、今紹介するからさ」
そう言って、雛から離れた。
私は隼と彼に近づき、雛をひっぱる。
「こっちが親友の高橋雛夜。で、こっちが彼氏の酒井隼[Sakai Shun]。」
私は二人を紹介した。
「ど、どうも」
「こんにちは、雛ちゃん!稀已がいつもお世話になってます」
えっ
「ちょっとぉー母親みたいなこと言わないでよー!」
「だって、親友ってことはけっこう世話になってんだろ?」
「そ、そりゃあなってるけどぉ…今はそんな呑気にあいさつとかの場合じゃないでしょ?」
ったく、隼ってば…
そんなことでちょっと怒っている私を前に雛の顔は引き攣っていた。
まぁ、当然よね。
嫌いなイケメンが二人も…しかも、私と雛の近くにいるんだから…。
「き、稀已…で、あの人は?」
雛は固まっている一人の彼を指差す。
あぁ、忘れてた。
雛が指差す彼とは…隼がつれてきた友人のこと。
「彼は…」そう言った時だった。
稀已から彼氏ができたと報告を受けてから4日後…
土曜日になり、稀已と約束した日になった。
稀已の彼氏が誰なのかどんな人なのか、親友として、心配になり、稀已に紹介してもらうことになったのだ。
外出するからそれなりにいい服装で行かなければと思い、
前に稀已に似合うと言われ買ったコートを上に羽織り私は家を出た。
待ち合わせ場所は私と稀已のお気に入りのカフェ。
裏道の小さなカフェ。
朝は混むけど、昼は静かで夕方になるとまだ賑やかになる。
評判がいいのは、店の雰囲気とマスターの笑顔だろう。
そんなカフェの昼の落ち着く雰囲気とマスターの人懐っこ笑顔に私と稀已は惚れていた。
そんなことを思い出しながら、周りをみる。
カフェの近くに稀已と男がいた。
あの人が…
そう思うだけで自分の稀已が取られたと思うと腹立たしかった。
カフェに近づき、
「稀已───っ!!」
と、呼んで大きく手を振る。
その声に気づいたのか稀已は可愛い笑顔で手を振る。
はぁー…可愛い///
ダメだよ、稀已。
そんな人がいっぱいいる外で…
そんな笑顔見せちゃあ…
周りの男子どもが赤く染めてるのに…。
そんな稀已を守ろうとかけつける私。
「稀已、待っ─…」
待ったぁ?って聞こうとしたけれど、
隣にいた男と喋ってる稀已を見た。
自分でも分かるくらい多分、顔険しくなっているだろうなって思った。
私がいない間に他の男と話していて…
稀已の笑顔に、私はただ何も言えずにいた。
私は、稀已と彼氏さんを見ていられなくてふいに下を向いた。
ちょうどその時、
「おい、さっきから二人でなにし…」
なにしてんだよ?言葉はそう続いただろう。
だが、その言葉が止まったことに対して私は疑問に思う。
なんで止まったのかと、正面を見ると…
稀已と彼氏さん…あと一人誰かがいた。
少し黒茶髪の背丈の高い男性。
周りの女子たちは顔を赤らめ、「きゃ───///」なんて黄色い悲鳴をあげている。
きっと、稀已の彼氏とこの男性のせいなんだろうな…。
ん?
男性…?
もう一回その男性をみて思わず、
「「は?」」
男性も同じ言葉を口から漏らす。