だけど私は、一人でいたし、男子とは喋らなかった。


私にとってそれはもう当たり前のことだった。




それから私は進路をこの地元から遠く離れた桜丘高校にした。



少しでも遠くにして、私のことを誰も知らないところに行きたかったから。



そのことを知った音夏は、『梨月と同じ高校に行く』と言って二人して桜丘高校を受けることにした。



私は『無理に一緒にしなくていいし、音夏が行きたい高校にしな』と言ったのに、『梨月と一緒がいいから』と言うことを聞かなかった。



きっと私のことを心配していたんだと思う。