次の日、私が教室に入り音夏と話していると、あいつ……玲音が現れた…。



私と玲音の教室は少し離れている。

前に音夏がそんなことを言っていた。



だからか、教室中の女子が騒ぎ始めた。




「波風…ちょっと話がある。」



まさか私に話があるなんて思わなかったのだろうクラスのみんなが私を見た。



「梨月…何かあったの?」



不思議そうに小声で音夏が聞いてきた。



『何もないよ。
私、あの人知らないし…』



私は嘘をついた。



あいつと知り合いだなんて思われたくない…。




そう言った私の声が玲音まで聞こえたのか、いきなり教室に入ってきた。



そして私の腕を掴むと無理やり教室から連れ出そうとした。




『ちょっ!何すんのよ!
離して!』




私が必死で抵抗しても離してはくれない。



男の力に勝てるわけもなく、私は昨日の数学準備室まで連れてこられた。