「教えれば報酬をいただけるのですか」


微笑んでみせた俺に女はためらわず頷く。

報酬が何かも尋ねずに。

その純朴さに
苛だった。


「ならばその話、お受けしましょう」


サラリ、と顔の横の髪を梳いてやると女は初めて怯えたような表情を見せた。


…生娘か。


男の接近に慣れていない素振りと肌の肌理にそれを知る。

だがそんな純粋を忘却させるように耳に唇を寄せた。

どんな女でも疼くような低く浸食するような声でささやく。


「報酬はあなたの体です」


俺は目を細めその美しい顔を覗きこむ。

見開かれた瞳に俺が映っていた。


「俺に抱かれなさい」


きっぱりとそう告げたあと俺は女から離れた。


「戦い方、死に方、享受してさしあげましょう」


女は微動だせず俺を見つめている。

黙っていれば時が過ぎるとでも思っているかのように。

だがそうはいかない。

「あなたが俺に」


逃がさない。


「抱かれるのであれば」


…さあ
どうする?


答えろ


女。