この痛みは、なによりも下賤なこの身で過ぎた望みを持った罰なのだろうか。


俺のものにしたかった。

俺のものであれと願った。

姫に必要とされたかった。

でもそれは俺には許されない。

絶対に。


姫は

俺など

要らない。


ついてくる足音に思う。


―――あなたに何度も恋をしている。

瞬きするたびに堕とされている。

俺だけ。

俺、だけが、囚われている。

こんなにも深く。

激しく。


俺が下賤な身分ではなくあなたが国の血を持つ人間でなければ、一夜だけでもあなたを本当に愛せたのだろうか。

一度だけでもあなたを本当の意味で抱けたのだろうか。

そんな愚かなことを、考えている。

どうしようもない、そんな事を。

姫が姫であり、俺が忍であったからこそ、俺たちは出会った。

そこに『もしも』は無い。

あなたの運命の先に俺はいない。

それがこんなにも辛い。


―――あなたに何度も恋をしている。

瞬きするたびに堕とされている。

けれどあなたに俺の手は届かない。


なぜならあなたが

俺を男として愛することなど


決してありえない


からだ。