「俺は嫌だ。昨日言った通り話しかけんな」



冷たい声で昨日と同じ言葉を言い放つ。



でも、


「これだけはあたしも譲れない。」


この前とは昨日とは打って変わって強気な自分がいた。



『頑張れ。自分に負けんな』


ふと昼間言われた桐平の言葉を思い出す。



「離せ」


「いや」



さっきっからどちらも折れそうもなく、言い合いの繰り返し。



「いい加減、しつこいんだけど」


「昔からしつこいですけど」



「…ッチ。めんどくせぇな」



イライラが限界になったのか、舌打ちをしてすごく低い声になった。