今日、教室で太一を見かけるとついつい目が追って、そしたら目が合って、でも逸らされて、の繰り返し。



放課後、誰もいない教室でグラウンドを見る。


弥生は彼氏。 楓も彼氏。
あたしは一人。



はぁ。ため息しか出ないや。

そのまま机に顔を俯かせ、首だけ横に動かした。



カラカラとドアの開く音が聞こえた。


思わず振り返れば太一がいた。



……ドクン。

また鼓動が早くなる。




…―『関わるな』


たった一言で近づくことも出来ないなんてね。



教室を出ていこうとする太一を見て思った。


ほんとにこれでいいのか、


本当に太一と関わることを止めていいのか


もう幼なじみに戻れないことは知ってる。



だけど…仲直り、仲直りだけならどうかな。