―…ギュッ。

…抱きしめられた。



「ワケは聞かない。だから泣きたい分だけ泣きなよ。思いっ切り。スッキリするよ」



そう言って体を一度離してニッコリ笑いかけてくれた。



「うっ…うわああああ」



その言葉でまたあたしの涙腺がプツンと切れて、昨日散々泣いたのにまた泣き出した。



「よしよし…」



御堂桐平はあたしが泣き止むまでずっと背中をさすってくれた。





「落ち着いた?」


「うん。あ、ありがとう」



落ち着きを取り戻したあたしにティッシュをくれた。



「つか何させるの。泣いて余計腫れたよ」



「えー、それオレのせい?」



さっきまでの優しく口調からまたおちゃらけた声に戻っていた。