「よっと!」


御堂桐平は今まではしごを使って上る高いところにいたのに軽々と飛び降りてこちらに向かってくる。



「もしかしてこれが原因?」


トントンと自分の人差し指で目を叩いた。


「………別に」



「またー!もう!」


ハイテンションでの返しについていけない。



「そんなに腫らしてたら誰でもわかるよ。オレでよかったら話聞くよ?」



さっきまでのおちゃらけた声とは違って、トーンを低くして真剣な声で話しかけてきた。



「何でもないよ。ほんとに…」



そんな口調で言われたらなんだか涙がポロポロ流れてきて、口をつぼめながら精一杯の言葉を口にした。