「うわっ!仁香子!その目どーしたの?!」
「ん?んー…何も…」
「明らかに泣いたでしょうが!」
朝、誰にも会わないように早くきたのに、教室には先約がいた。
「目がわかんないくらい赤く腫れてるよ!」
「冷やしたけどダメだったよ。」
はははっとのんきに笑うあたし。
「つかなんでいんのよー。朝早くから」
「失礼ね!いちゃ悪かった?!」
「いやー…」
朝から頭が痛くなるような高い声をあげる楓。
ふと窓からグラウンドをみるとサッカーボールを蹴りながら練習を頑張っている人がいた。
あっ、長野くん…。
ははーん。それが狙いか。