…もう言われたときには泣いていたのかもしれない。
部屋に入ってボロボロこぼれ落ちる涙。
『迷惑。んなこと言われても昔の話しだろ』
『俺に関わるな。話しかけるな。…名前を呼ぶな』
もう名前も呼んじゃいけないくらい嫌なの?
もうあたしとは関わることすら嫌なの?
ただ泣くしかなかった。
たくさん泣けば涙は枯れて泣くことなんてできなくなるから。
だけど目の潤いが無くなることはなく一晩中泣いた。
突き付けられた言葉の傷は癒えることなくさらに深く深く心に突き刺さる。
草壁太一。
幼なじみで好きな人。
それは今でも変わることはない。
だけど彼からしたらあたしは過去の人。
幼なじみにも戻れない。
あの頃には戻れないの?
久しぶりに会った好きで大切な人はあたしの存在を拒み過去にした。