昼間はああ言われたし、楓たちから女好きとか言ってたけど、本当は違う。


太一は優しく人だよ。


そう思いたかった。
突き付けられた現実を否定したかったのかもしれない。


太一に次言われる言葉を聞くまでは。



「あとねあの時、桜の木の下での約束破ってごめんね。行けなくてごめんね。引っ越すこと言えなくてごめんね。あの時あたしも好きだったよ」



伝えたかったこと言えた。
謝れなかったこと言えた。



「だからね、また幼なじみとして…「あのさ!」



突然張り上げられた太一の大きな声にビクッとした。