外はもう真っ暗で肌寒さが残ったまま。
家までの道を遠く感じる。
楓んちからこんな距離あったっけ?
家の近くまでくると家の前にある電灯の下に人影が見えた。
……。 太一だ。
向こうもあたしに気づいたみたいだけど、かまわず家の中に入っていこうとする。
思わず
「太一!」
と叫んだ。
あたしの声にピタリと足を止め、その場に立ち尽くす。
そこへあたしはパタパタと走っていく。
「あ、あのさ、またこっちに戻ってきたんだ!よろしくね。今日言おうとしたけどタイミングなくて…」
息を切らしながら、言えなかったこと全部を伝える。