「楓の好きな人どんなん?」


「楓はねぇ…」


「わぁぁぁ!弥生!ダメ!」


「なんでよ?」


楓の方を見ればカァと顔が真っ赤になり、下を俯いていた。



ははーん。そういうことか。



「まさか…まだヘタレの長野くん?」



長野くん…。
楓が中学の始めから好きだったヘタレ野郎。

どうしようもないヘタレを。



「知ってた?」


「うん」


弥生からの質問に迷うことなく頷く。



もう5年くらいとかすごいな。

しかも話したことないとか。