「たい「楓、弥生!今日学校終わったら遊ぼ!」



楓が太一を呼ぼうとしたのを掻き消すように自分の声を重ねて強く言い放った。



これ以上は辛いから、もういいんだよ。

やっぱりあたしは太一の中で過去の人。

忘れたい思い出なんだ。



そう言い聞かせるよう語りかけ、泣かないように下唇をギュッと噛んだ。



悲しいとか苦しいとか切ないよりもただ、寂しかった。



…――短縮授業で半日で終わり放課後。



学校を出たあと2人と一旦別れ、家に帰り、洋服に着替えてから駅に走って行く。