『終わった~!!』


チャイムが鳴り、試験監督の先生がいなくなった途端、あたしは大きな伸びをして大声をあげた。


「お前、声でかっ!」

『だってやっとテストから解放されたんだもん!これを喜ばずに何を喜ぶっ?』

「っつか、お前勉強してねぇじゃん」

『いや、アンタよりはしてた』


あたしと春樹は、相変わらずな関係を続けていて、今日もいつもどおり話していた。

だけどテストも終わっちゃったし、もうすぐ夏休みだから、しばらく春樹と会えないのかぁ…。

って、だから春樹のこと考えちゃダメだって!!


あたしはブンブンと首を振った。


「変なヤツ」

『うるさい!』


人の気も知らずに、春樹はそんなあたしを見て笑う。
あたしは何も言えず、ただ帰りのHRに来た担任の話を聞き流していた。