『どう…したの?』

「なんか…すげぇ切なそうな顔してたから…」

『……』


秀はあたしの耳元で、そうささやいた。


きっとあたしの想い
秀になら分かっちゃってるんだろうね…。


言葉に出さなくても…


『秀……あのね…』

「聞きたくない」


秀はあたしの言葉を止める。

あたしはどうしたらいいのか分からなかった。



「聞きたくねぇよ…」

『……』



そう言って、秀の抱きしめている腕の力が強まった。



「俺……美鈴が好きなんだ…」



秀はあたしを抱きしめながら、確かな言葉でそう言った。