「あ…」


突然、春樹の足が止まった。


『どうしたの?』
「……」
『春樹?』
「あれ…」


そう言って、春樹は遠く前方にいる一組のカップルを見た。



「あれが兄貴と皐月…」

『え…?』



遠くからだったからよく分からなかったけど
そこには春樹の後ろ姿にそっくりな男の人と
綺麗な黒髪をした女の人がいた。