『秀っ…ありがとっ…』


あたしは間一髪のところで、秀に引き寄せられて助かっていた。


もしも秀に引き寄せられていなかったら、あたしたちはこの装飾品の下敷きになっていただろう…。



「…っ…」

『秀…?』



秀からはなんの反応もなくて、あたしは不思議に思い、顔を上げた。


そこには…



『秀っ!!!』

「…ぅっ…」



目を両手で押さえている秀。



その手は真っ赤な血で染まっていた。