「最後にさ……ほんとに最後に…デートしねぇ? 1時間だけ。この辺をちょっとぶらつくだけでいいから…。
 カレカノとしての最後のデート」



秀はこの言葉、一体どういった気持ちで言ったのだろう…。


あたしよりもずっと辛い立場にいるはずの秀。
だけどその秀が笑顔で言ってくれるのなら…


『……うんっ』


あたしはそれに応えるべきなんだ。


涙を拭って
今までと同じような笑顔を秀に向けた。


別れがあると分かってのデート。


なんて切ない1時間なんだろう…。