「初めて見たのは、俺が遅刻してきた日。
 やべーって思いながら走ってたら、屋上に美鈴の姿を見つけたんだよな…。

 なんか…すーげー綺麗って思った…。
 思わず走るのやめそうになったもん」


秀はイタズラっぽい笑みをあたしに向ける。

あたしはただ黙って秀の話を聞いていた。


「体育ん時とか、帰りがけとか…
 いつもいるってわけじゃないけど、気がついたらあの屋上に美鈴がいて、そして気がついたらそんな美鈴を目で追ってた」


『……』