『ってか、いないし…』


いつもどおり、立ち入り禁止となっている屋上には、誰一人の姿もなくて、ぽつんとあたしだけ。


春樹はHRが終わると同時に教室を出て行ってしまったみたいだけど、屋上にはまだ来ていないようだった。


『自分で呼び出しといて、遅刻すんなよー』


なんてつぶやきながら、あたしはフェンス越しに外を眺めた。

「わりぃ!遅れた!!」


途端に後ろから勢いよくドアが開けられ、春樹の声が聞こえた。


『遅いっ!』

「わりぃわりぃ。コイツが掃除当番だったらしくて…」

『え?』


そう言われると、春樹の後ろから誰かがひょっこりと顔を出した。