「……」 秀は何も答えなくて 校庭からの掛け声だけが、やけに遠く聞こえた。 あたしたちの間には沈黙が走る。 あたしはただただずっと、秀からの答えを待っていた。 「………無理…」 『え…?』 ぽつりと小さくつぶやく秀。 「無理だよ…。俺には美鈴と別れるなんて出来ない」 『秀…』 そう言って、秀はあたしを見つめた。