「この二股女」


そう言って、あたしを睨み上げてきたのは…


『……北条さん…』
「真奈っ…」


ずっとあたしを敵対視している女だった。


突然あたしらのクラスに入ってきた上、大声で話し始めたせいで、クラスの注目が一気にあたしらに集まる。

だけど北条さんは構わず話し始めた。


「昨日見ちゃったんだよね~。
 早川さんと春樹が公園にいるところ」

『!!』


「あ~んな真夜中に、しかも抱き合ってなかった~?」


『……っ』


その言葉で、いっきに教室がざわついた。

中にはヒソヒソと話す声も聞こえる。