春樹はあたしの身体の上からそっとどくと
ギシッと音を立てて、ベッドの片隅へと座った。


「美鈴…」

『……』


春樹は向こうを向いたまま、ポツリと言った。



「もしも俺がお前のこと……」

『え…?』



「ごめん…。俺、兄貴の部屋で寝るわ。
 この部屋、朝まで適当に使ってていいから」



それだけ言うと、春樹は部屋から出て行ってしまった。