『だってアイツからかうのって面白いんだもん』
「そんなふうに思えるのって、アンタくらいなもんだよ」
『だからいいんじゃん!特権~』


あたしはミホに向かって、ピースサインをした。


そう。
みんな春樹には一線を置いてて、まるでアイドルを見てるような感じ。

確かにカッコイイし、みんながキャーキャー言うのは分かるけど、中身はただのバカなのにね。

「あんたら見てると、じれったいわ」
『へ?』


「ほんとは~…好きなくせ…」

『っ!!』


あたしはそう言い出したミホの口を、思わず塞いでしまった。


『なっ…何言ってんのっ?』
「いや、あたしから見ればバレバレだから」
『嘘っ?!』


内心、心臓がバクバクのあたし。

えっ…あたしの気持ちって、周囲から見ればあからさまなのっ?