最初から分かってた。

秀と付き合えば、すぐに春樹の耳に届くってことくらい。


だけどもう…あたしには関係ないんだ。



『やっぱあたし、秀のこと好きだったんだ。
 夏休みになって、自分がピンチの立場になってからやっと気がついた。

 あたしが求めていた人はこの人なんだー…って』



あたしはあの日のことを思い出していた。

男の人から助けてもらった日のことを…。