バタンと屋上の扉が閉められ、またあたしと春樹だけの空気になる。

だけどさっきのような穏やかな空気なんか考えられず、あたしは動揺を隠すのに必死だった。


『彼女…出来てたんだね…』
「ああ…」
『皐月さんのことは…もういいの…?』


あたしがそう言うと、春樹は吸っていたタバコを床に押し付けた。


「もういつまで想ってたってしょうがねぇからな。
 どうやっても俺の入る隙はねぇし…。
 だったら、もう前向きな恋しようかなって」


そう言って、春樹は笑った。