どちらかが声をかけるわけでもなく、さきに白崎があたしから目を逸らした。 シンと静まり返った教室。 あ、そう言えばノート… 確かに気まずいけど返すなら今しかないし。 あたしはバックから白崎のノートを取り出し、白崎の前まで行く。 「…これ、」 あたしはそう言ってノートを差し出す。 白崎はそれを受け取る。 「もう、大丈夫なんですか?」 「え、」 「風邪。」 「あ、うん…大丈夫。」