「…白崎っ!!!」



あたしが大声で叫ぶと、ゆっくりと振り返った白崎。



白崎はあたしが近づくと目を丸くして驚いていた。



「病人が何してるんですか?」



久しぶりに白崎の声を聞いた気がして、懐かしくなる。



あたしは白崎のノートをぎゅっと抱きしめた。



白崎はそんなあたしを見てくすっと笑う。



「…バカですね、君は。」



ドキン、



不覚にも、心臓はそう音を立てる。



「バカって言わなくても、」



白崎はふわりとあたしに自分の着ていたピーコートをかける。



瞬間、白崎の香りが鼻を通り抜ける。



「…はやく帰りますよ。送りますから。」