「美玲!今日、みんなで遊ぶんだけど美玲も行かない?」
いつの間にか放課後になっていて、帰る準備をし始めたら恵梨香たちにそう声をかけられた。
…どうせ、帰ったってすることないし。
「うん、行く。」
あたしがそう言うと恵梨香たちもニコッと笑っていこいこ、とあたしを急かした。
教室を出るとき、窓際の一番後ろの席にちらりと目がいく。
…白崎、帰らないの?
白崎は教室が空になっていくのにも関わらず、席に座ったまま本を読んでいた。
「美玲、行くよー?」
「あ、うん…」
恵梨香に腕を引かれ、すぐに白崎の姿は見えなくなった。