「おっはー、美玲!」
…それでも変わらず朝はやってくるわけで。
相変わらず明るい恵梨香にあたしもおはようと返す。
…白崎は、窓際の一番後ろの席で何もなかったようにまた分厚い本を開いている。
ああ、あれハリポタなんだよなって思うと思わず笑みがこぼれそうになる。
だけど…白崎を考えてるのはあたしだけで、白崎にとってみたらいつもと変わらない朝。
「美玲?」
ぼーっとしていたら恵梨香があたしの顔の前で手をかざす。
「はは、美玲どうしたの?」
「…ちょっとぼーっとして、さ。」
恵梨香はあたしの言葉にクスクス笑いながら、いつもと変わらない話をし始める。
だけどあたしの視線のさきには白崎がいて。
結局、恵梨香の話なんて耳に入らなかった。