「はあはあ、」



教室を飛び出して、学校を出て、ここまで全力で走った。



冷たい頬に温かい涙が伝う。



あたしはきっと涙を見られたくなかったんだと思う。



最後まで、バカでやる気がなくて、だらしない立花美玲でいたかったのかも。



無意識にポケットに手を突っ込むとぐしゃっと音が鳴る。



あたしは掴んだものを手に取り、ポケットからその手を出しては笑みがこぼれた。



…この、キャンディー



白崎がくれたんだよね。



肩をかしたお礼って。



あ、小学生と同じレベルにされたっけ?