「はあはあ、」
教室を飛び出して、学校を出て、ここまで全力で走った。
冷たい頬に温かい涙が伝う。
あたしはきっと涙を見られたくなかったんだと思う。
最後まで、バカでやる気がなくて、だらしない立花美玲でいたかったのかも。
無意識にポケットに手を突っ込むとぐしゃっと音が鳴る。
あたしは掴んだものを手に取り、ポケットからその手を出しては笑みがこぼれた。
…この、キャンディー
白崎がくれたんだよね。
肩をかしたお礼って。
あ、小学生と同じレベルにされたっけ?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…