「…ジロジロ見てなんですか?」



白崎にそう言われ、はっとする。



…あたし、どうかしてるよね?



白崎が格好良く見えたなんて、さ…



「…何でもない。」



「僕の顔見てため息をつかれると不愉快なのですが。」



白崎はそう言うと教科書を閉じる。



「今日は終わり?」



「もう暗いですから。…行きますよ。送ります。」



…は?



白崎、送りますとか女に言えちゃうわけ?



あたしが驚いている間に白崎は帰る準備をすませていた。



「はやく行きますよ。」



「え、あ…うん。」



さきに教室を出た白崎をあたしは急いで追いかけた。