「…んじゃ、ありがとう」




あたしの家の門までつくと白崎は手を離した。




離れていく手を名残惜しそうに見つめれば、白崎はあたしの頭をクシャクシャっと撫でた。



見上げた白崎の表情は優しいもので。



白崎のこと、好きなんだって改めて教えてくれる。





「…はやく家に入ったら?」




そう言う白崎は意地悪。



「…白崎こそ帰れば?」




反論するあたしは、やっぱり可愛くない。




「家に入るまで見たら帰るよ。」



「あたしも白崎が帰ったら家に入る。」