歩くはやさすらあわせてくれる白崎が少し憎い。




あー、余裕ないな、自分。



白崎妙に女慣れしてるし。


ヤキモチっていうのもあながち間違ってないかもしれない。




「静かすぎでしょ、立花。」



「…え」



「前はうるさいくらい一人で喋ってたクセに。」




ふと、最初に二人で帰った時を思い出した。



確かにあの時は白崎が何にも話してくれないから、一人で喋ってたけど……



「…う、うるさいくらいって、」



「でも、楽しかったよ。」



向けられた笑顔に心臓はまた音を立てた。