帰り道、またメガネをかけた白崎は相変わらず無口なまま。
だけどあたしは思う。
これから白崎はあたしと付き合ってること、自分のこともずっと隠していくのかなって。
不安そうに立ち止まったあたしに白崎はすぐに気づいて振り返った。
「どうしたんですか?」
「…白崎は、どうして自分を隠すの?」
前に飯田さんが言ってた。
白崎はトラウマで自分を隠すようになったって。
あたし、白崎の口から聞きたかった。
すると白崎はメガネを外す。
「前に付き合ってた女がいて」
「…うん」
「ま、ただ好きって言われて付き合ってた俺も悪いけど」
飯田さんの顔が浮かんで仕方なかった。