和也Side

「は?」

「だから、玲奈ちゃんに何隠してるの?」

部活中珍しく笹野が俺に
近づいてきたと思ったら
いきなりこれだ。

「別に.....。」

俺は弓を持って的に狙う。
笹野は、俺をじーっとみてる。

「なんだよ、集中してえから
あっちいけ。」

あごでおいはらっても笹野は
中々動こうとはしない。

「あのなあ.....。」
「よしっ♪分かった。和也くんは
浮気していましたって玲奈ちゃんに
伝えておきますっ。」

「はあっ!?ふざけんなよ。
誰が浮気したっていうんだよ!」

すると笹野がもっと近づいてきて
矢を手にとって俺に向けてきた。

「だったら、ちゃんと説明しろよ。
おい、和也。お前は何なんだあ?
はっきり言えや。」

小さな声で笹野はそう言って
俺を睨んできた。

こんな笹野は...見た事がない。

「...玲奈に探るように言われたか?」

「はぁ?玲奈ちゃんは性格がいいから
そんな最低なことは考えも
しませーんだっ!嘘つきな誰かさんとは
違うんじゃないかしらー?」

珍しく生意気な口を利いてきた
笹野.....。

「...玲奈には...言うんじゃねえよ。」

俺は楠木さんとの話を全部した。

「は...?待って。和也くん...
行くつもりなの?」

行くつもりって...。

「そうするしかねえんじゃねえの...?」

「...だめ。断りなよ。」