「移動するよっ!」

恵美に腕をつかまれて連れて
こられたのは学校の近くの
公園だった。

「さっ、全部はきなさいっ!」

「...和也、私に隠し事あるらしい。」

「はあ!?」

私は、全部昨日のことを恵美に話した。

「うーん。私、誠くんからはそういう話
一切聞いていないんだけどなー。」

恵美は、首をかしげている。

「そっか.....。」

誠くんと和也が隠している秘密って
何だろう...?

「でも...何だろ...。」

『知ってるー?隣の若林さんの奥さん
家出て行ったらしいのよー。』

『まあ、浮気かしらねー。ずっと
夫婦喧嘩聞こえていたしー。』

『近所迷惑だったわよねー。』

世間話をしているおばさんたちが
公園の前を通っていった。

「は、ははっ...玲奈ちゃんっ。
全然違うでしょーが。」

浮...気?

「本気にしたらだめっ!あれは
他人事だよっ!玲奈ちゃんは和也くんを
信じているんじゃないの?」

「うん.....。」

けどすごく不安だよ...。

「何か別のちゃんとした理由が
あるはずっ!玲奈ちゃんの...
誕生日の計画...とかは...って...
誕生日はまだまだだけど...。」

「和也は私の誕生日なんて
きっと知らないはずだよ。」

「...そう、かな?」

「うん。なんかどうでもよくなった。
恵美、部活行って来てあげなよ。
私は、今日いけないって先生に
伝えておいて。」