『雛じゃなきゃ無理…』


『………』


『ちなみに花奈とは一週間前にちゃんと別れてる あいつの性格からして多分雛にカマかけたんじゃね? 俺雛のことが好きだって言ったし…

雛?今さらって思ってると思う 最低だよな 佳祐と段々仲良くなってく雛を見て正直腹立った 佳祐が雛の事好きだって聞いて焦った 俺…そん時気づいた…』


どうしよう


涙がとまらない


『雛が好きだって…』


那智が見えない


那智があたしの流れる涙を拭ってくれる


『俺…雛が好きなんだ…』

もうダメ

『うぅ…ふぇ…』


あたしは小さな子供みたいに泣きじゃくった
文化祭で人がいないとは言え 学校の廊下で しかも那智の胸で…恥ずかしい…

でも恥ずかしさよりも 那智があたしを好きだって言ってくれた事が嬉しくて 嬉しすぎて

あたしは無意識のうちに 那智の背中に手を回していた


泣きじゃくるあたしの背中を那智はずっとさすってくれていた