あの告白騒動?から佳祐とも那智とも何がかわるわけでもなく その間文化祭の準備に追われていた。
そして秋も終わりに近づいて 文化祭が始まった


『タコ足りないかも!』

『うそ!?やだ!誰よこんなにタコ使ったの〜!』

なんだかんだで大盛況のクラスの出し物
あたしはそんなやりとりの中 部活の方の見回りに来ていた


あんまり人も来ないのに 見回りなんているのかなぁ…机にうなだれていると教室のドアが開く音がして 慌てて姿勢を直した


『あ…』

ドアの音に反応をして見ると そこにいた人にあたしは何故か血の気が引いた


『ちょっと聞きたい事があるんだけど あたしの事わかるよね?那智の彼女』


『あ…はい…』


何となくあたしをみる彼女の目が怖かった あの時の事ばれたのかな…
少しずつ近づいてくる彼女にあたしは何故か目が逸らせなかった


『那智が…』


え?何で?


『那智が距離置こうって…雛…さん那智とここ最近…会ったりしてる?』


那智の彼女さんの声は震えていた
目にはうっすらと涙が見えていた

怖かったのは涙を堪えていたからだ…


『あ…那智とは夏休み明けてからは…ほとんど話してなくて…あの…』


『あたしと那智の家の前で会った時は 普通だったよね?単刀直入に聞くけど 那智と何かあった?あなた那智事好き?さっきいきなりよ?理由もいわずに しばらく距離置きたいってそれだけ…理由も言わないあんな一方的な那智…初めてだった…』


那智がそんなこと?
ありえないよ 那智はそんな一方的な事しない
だけど今目の前にいる那智の彼女は泣いていて…


『答えて欲しいな…』


力無く彼女はそう呟いて顔を伏せた


『……あたしは……』


言葉が上手に出てこない
那智が好きって言っていいのかな?何とも言えない気持ちに押し潰されそうだった