「きゃ・・・・っ」
黒い物体を避けようと、身をよじった瞬間、手は桟から滑り落ち
ッ―――――――!
あっと思った時には既に遅く・・・
エミリーの細く華奢な身体は、空に投げだされていた。
どんどん近付いてくる堅い地面。
あそこに落ちたら痛いだけでは済まされないだろう。
骨の1本や2本折れるかもしれない。
いや、このまま落ちれば頭を打つかも。
来るべく衝撃に備え、落ちていく身体をなんとか守ろうと
自らをギュッと抱きしめた。
目の前に迫るむき出しの地面・・・
身体が打ち付けられる・・・! と覚悟した時
視界は突然暗闇の中に包まれた―――
何も見えなくなった恐怖からか
落ちていく感覚に終わりがないためか
いつしかエミリーは意識を失っていた―――