アラン様と同じ銀髪に深いブルーの瞳を持つ年嵩の女性。
柔らかに微笑む表情は誰かに似てる。
誰だったかしら―――
「はい。仕事にかまけお訪ねすることも叶わず今になってしまいました。ルーナ様には、変わらずに美しくお元気そうで。私としては何より喜ばしいことです」
パトリックさんが進み出て手の甲に軽く唇を乗せる。
「貴方様は相変わらず素敵ですこと。まだ、花嫁のご予定はありませんの?私は待ち遠しくしているのですよ」
「はい。未だ巡り会うことが出来ません。どうしたものか・・・ルーナ様、このまま生涯を終えそうですよ」
おどけたような笑顔を向けて肩を竦めて見せるパトリックさん。
こういう会話には慣れているようで、微妙な話題をさらりとかわしてる。
「まぁ、ご冗談を。貴方様が何を仰るの?世の女性達が哀しみますよ」
口元を指先で隠してころころと笑って愉しげにお話をするそのお顔を見て、国王様の茶目っ気たっぷりな笑顔を思い出した。
よく似てるわ。
パトリックさんとの会話を終えて此方を向いたルーナさんが、アラン様の前に出て丁寧に膝を折って頭を下げる。
「――――アラン様」
「ルーナ、忙しい思いをさせる」
「全くです。貴方様がいけないのですよ?普通にしましても2ヶ月は掛けますのに。1ヶ月で、などと仰って・・・。“今宵見せよ”などと伝え聞きました折には、全く血の気が引きました。今の今まで準備をしていましたよ。彼らと行き会いましたでしょう」
アラン様が相手でも、快活に怖気なくお話しするルーナさんはとても魅力的な女性に映る。
生き生きと輝くブルーの瞳がこちらを見て優しく微笑むので、隣を見上げて促してみた。
―――紹介は、まだですか?
「・・・アラン様?」
「エミリー、彼女は父君の姉、私の叔母上だ。ベークル家にご降嫁され、今はこのベルーガを切り盛りされておる。ルーナ、こちらは私の婚約者。エミリー・モーガン嬢だ」
「ご正女様、はじめまして。かねてより、お連れ下さるようお願い申しあげていました。お会いできて光栄です。ルーナ・ベークルです」
「こちらこそお会いできて光栄です。よろしくお願いいたします」
作法通りに挨拶をしたら茶目っ気たっぷりな笑顔が寄ってきて、ベビー王子様のオムツを最初に変えたのは、何を隠そうこの私ですのよ、とこっそり内緒の声で教えてくれた。
「そうなのですか?」と声を上げると、逞しい腕がお腹にまわってきて、ニッコリ笑顔でウィンクをしてくるルーナさんからスススと離される。
「ルーナ、聞こえておる。・・・例の物を早く見せよ。遅くなった」
「まぁ、意地悪ですこと。折角御会い出来たのです。少しくらいお話してもよろしいでしょう。でも・・・ご正女様、お顔の色が優れませんね。まさか、気分が悪いのですか?」
柔らかに微笑む表情は誰かに似てる。
誰だったかしら―――
「はい。仕事にかまけお訪ねすることも叶わず今になってしまいました。ルーナ様には、変わらずに美しくお元気そうで。私としては何より喜ばしいことです」
パトリックさんが進み出て手の甲に軽く唇を乗せる。
「貴方様は相変わらず素敵ですこと。まだ、花嫁のご予定はありませんの?私は待ち遠しくしているのですよ」
「はい。未だ巡り会うことが出来ません。どうしたものか・・・ルーナ様、このまま生涯を終えそうですよ」
おどけたような笑顔を向けて肩を竦めて見せるパトリックさん。
こういう会話には慣れているようで、微妙な話題をさらりとかわしてる。
「まぁ、ご冗談を。貴方様が何を仰るの?世の女性達が哀しみますよ」
口元を指先で隠してころころと笑って愉しげにお話をするそのお顔を見て、国王様の茶目っ気たっぷりな笑顔を思い出した。
よく似てるわ。
パトリックさんとの会話を終えて此方を向いたルーナさんが、アラン様の前に出て丁寧に膝を折って頭を下げる。
「――――アラン様」
「ルーナ、忙しい思いをさせる」
「全くです。貴方様がいけないのですよ?普通にしましても2ヶ月は掛けますのに。1ヶ月で、などと仰って・・・。“今宵見せよ”などと伝え聞きました折には、全く血の気が引きました。今の今まで準備をしていましたよ。彼らと行き会いましたでしょう」
アラン様が相手でも、快活に怖気なくお話しするルーナさんはとても魅力的な女性に映る。
生き生きと輝くブルーの瞳がこちらを見て優しく微笑むので、隣を見上げて促してみた。
―――紹介は、まだですか?
「・・・アラン様?」
「エミリー、彼女は父君の姉、私の叔母上だ。ベークル家にご降嫁され、今はこのベルーガを切り盛りされておる。ルーナ、こちらは私の婚約者。エミリー・モーガン嬢だ」
「ご正女様、はじめまして。かねてより、お連れ下さるようお願い申しあげていました。お会いできて光栄です。ルーナ・ベークルです」
「こちらこそお会いできて光栄です。よろしくお願いいたします」
作法通りに挨拶をしたら茶目っ気たっぷりな笑顔が寄ってきて、ベビー王子様のオムツを最初に変えたのは、何を隠そうこの私ですのよ、とこっそり内緒の声で教えてくれた。
「そうなのですか?」と声を上げると、逞しい腕がお腹にまわってきて、ニッコリ笑顔でウィンクをしてくるルーナさんからスススと離される。
「ルーナ、聞こえておる。・・・例の物を早く見せよ。遅くなった」
「まぁ、意地悪ですこと。折角御会い出来たのです。少しくらいお話してもよろしいでしょう。でも・・・ご正女様、お顔の色が優れませんね。まさか、気分が悪いのですか?」