背中の下の腕が引き抜かれていくのと同時に、額と頬に唇が落とされた。



「――――眠らぬと申すならば、遠慮せぬぞ」



耳の傍で囁かれて、身体がぴくんと反応してしまう。



「でも、アラン様はお疲れ・・・ん・・・」



反論の言葉は唇の中に吸い込まれる。

さらさらと腕を撫でていた掌は、手の甲を指先でくすぐるように撫でたあとしっかりと指が絡められた。

その間にも休むことなく唇を優しく吸われて、蕩けるような刺激を与えられている。



「ん・・・待っ・・ん・・・」



中に侵入され、角度を変えて強く優しく何度も絡められて、次第に頭がしびれて何も考えられなくなってきた。

くったりとしていると、吸われて少し腫れた唇を武骨な指が丁寧になぞる。



体を動かすアラン様と一緒に、銀糸がさらさらと動く。

逆光に映るシルエットも綺麗だなんて、ずるいわ・・・―――


ぼんやりと見つめてたら、耳の辺りの髪をかきあげられてそこに唇が落とされた。

ぴくんと反応すると、やっと聞こえるほどの小さな声で囁かれた。



「・・・もう、眠らせぬ―――覚悟は良いな」

「アラン様、待って。灯りが――――」

「このくらいなら良い、待てぬ」



唇が首筋を通って鎖骨に下りていく。

ナイトドレスの肩紐がずらされ、何度も唇が落とされちくんとした刺激にハッとするも、再び与えられる熱に蕩けさせられてしまう。

するすると脱がされ、いつの間にか露わになった膨らみをそっと包みこんで甘い刺激を送ってくる。

熱い唇と優しい指に翻弄されて、言葉にならない声と甘い吐息だけが天蓋の中に響く。


「アラン様・・・おねがい・・・キスして――――」


息も絶え絶えにお願いしたら、荒々しくも優しいキスをしてくれた。

幾度も与えられた痺れるような甘い感覚で、意識はとろとろに蕩ける。

逞しい体の重みから解放されてあたたかな腕に包まれると、心も身体も幸せに満たされていた。



「意のままに抱いてすまぬ・・・我を忘れさせるのは、君だけだ」


指で髪を梳かれ、額に優しいキスを受けながら夢の中へと誘われる中、微かにアラン様の声が聞こえてきた。




『しかし・・・これは・・・明日、ルーナに叱られるな・・・』




―――・・・ルーナ・・・・誰・・・――――――――・・・・・