アランは横たわっている者の傍に寄り、その場に屈みむと

身体を守るように周りにいた小動物達は逃げるように方々に散っていく。



遠目ではよくわからなかったが、横たわっているのはまだ幼さの残る少女だった。



見たこともない布地の薄いブルーの衣装を身に着けている。



年の頃は18か19歳といったところだろうか。



ざっと見たところ、かすり傷程度のものはあるが

ひどく怪我を負っている様子はない。



夜露に濡れた柔らかそうなブロンドの巻き毛は血の気のない蒼白な頬にかかっている。


固く結ばれた唇は、ピンク色をしておりふっくらとしていてとても柔らかそうだ。




――この少女は生きているのか?





アランが無骨な大きな手でそっと頬に触れると、長い睫毛が僅かに震える。


しかし、一向に目覚める様子がない・・・。



長い間ここにいるのであろう身体は露に濡れ、ひどく冷たくなっている。



動物たちにあのように守られていなければ

身体は冷え切ってしまい、命がなかっただろうことが想像される。





アランは羽織っていたマントで少女をふんわりと包むと


制するジェフの声を無視し



軽々と少女を抱え上げ





部下たちの待っている小道へと戻っていった。