次に龍が上ろうと手すりに手をかけると


“ガタガタガタッ”


勢いよく何かが落ちた音がした。


『………。なんだ??』


手すりに手をかけたまま龍が耳をすませた。


『おい、あれっ』


龍が手すりから手を離し、玄関を指差そうとした瞬間


“ガシャンッ”


丈が乗っていた階段が床から外れた。
階段は上だけ繋がっていて、上から宙吊り状態になった。



『た、助けてっ、うゎっ、うわっ』

『丈!!』
『丈、落ち着け!!今助ける!!』


僕らはあわてて丈に手を差し出した。
丈は階段の段にかろうじて掴まっている程度。
どうやって助ければいいんだ?!



僕は不安にとりつかれた。


床から階段までに空いた穴はかなり大きく
僕らの腕では、届きそうにない。


『なんか棒とかっ、も、持って来い!!』


龍が焦りながら駿に指示を出す。


『早くっ、早く…、指が…っ』


丈がうめく。
こんな状態で何をしていいかわからなかった。